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HaTaキャリ 将来の生活設計に不安を感じ、収入アップを目指して転職を考え始めた女性②
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HaTaキャリ 将来の生活設計に不安を感じ、収入アップを目指して転職を考え始めた女性②
HaTaキャリ 将来の生活設計に不安を感じ、収入アップを目指して転職を考え始めた女性②
働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ7 第2回(2021年2月配信)
☆シリーズ7 将来の生活設計に不安を感じ、収入アップを目指して転職を考え始めた女性
太田さん(仮名)43歳 女性 事務職。契約社員から正社員への転職を目指している。家族:母親
◇前回のあらすじ
大手産業機械メーカーの総務部門に勤務する契約社員の太田さん。長年やってきて慣れている総務・人事関係の事務職の仕事内容に不満はないのですが、将来設計のために収入アップを目指して転職することを考えています。太田さんは、キャリアコンサルタントに転職を希望する理由を話し、自らの経歴を振り返りながら、現在の仕事に応募する際に作った履歴書と職務経歴書を見てもらうことにしました。
(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)
CC(太田さんの持参した過去の応募書類に目を通しながら)
「こちらが太田さんの履歴書と職務経歴書ですね。拝見します。…両方、パソコンで作られたのですね。丁寧に、詳しく書かれていますね。さきほどお話にあったように、大学の理学部を卒業してから製薬会社に就職されて、今の会社までずっと総務や人事関係のお仕事をされてきたのですね。太田さんが就職活動をされていた頃は、学生の就職環境は厳しくはありませんでしたか?」
《ご参考》履歴書・職務経歴書の書き方(ハローワークインターネットサービスより)
☞
ハローワークインターネットサービス - 履歴書・職務経歴書の書き方 (mhlw.go.jp)
太田さん
「そうですね、就職氷河期と言われ始めた頃でしたから、文系の学生は結構大変みたいでしたね。
私は、理系でしたから、当時はまだ珍しい方だったからなのかあまり苦労した記憶は無いんです。大学のキャリアセンターでは来年卒業生の就職は大変だって言われていましたから、研究職になることも考えたんですけど、大学院に行く気はなかったし、正直言って研究を続けるのは自分に合わないと思って。就活始めるのも遅い方だったと思うんですけど、いくつか受けたら受かったんです。」
CC
「製薬会社を希望されていたのですか?」
太田さん
「いえ、私、たまたま会社説明会に行ってみたらそのまま面接まで行って受かったんです。関西は製薬会社が多いから毎年卒業生が行っていて、氷河期だったけどうちの大学の理系には求人が結構来ていたんじゃないかと思います。私は、会社説明会でMR(製薬会社等の医薬情報担当者)の話を聞いて面白そうだと思って受けたんですけど。入社したら総務部に配属になったんです。それからずっと、転職しても総務や人事の事務系の仕事を続けてきたんです。」
CC
「ずっと20年間ですね。最初の会社から転職された後も、総務や人事関係のお仕事一筋でがんばって経験を積まれて、仕事力も高めてこられたと思いますが、これまでのお仕事を振り返ってみて何か思うことはありますか?」
太田さん
「うーん、まあ振り返って思うことと言っても、20代の頃は理系出身の女性の総合職だったから、当時は注目もされましたから、早く仕事を覚えてしっかり仕事をしようと、そういう面では仕事の基礎は教えてもらったし、自分でもいろいろと勉強しました。人事や総務の仕事は会社の要ですからね。どの会社でも皆さんよく仕事をされていたと思います。残業なんかあたり前でしたね…。」
CC
「最初の製薬会社や転職先でも、それぞれの職場で同僚や上司にも恵まれたのでしょうか?」
太田さん
「そうですね。まあどうなんでしょう、いろいろな方がいらっしゃいましたけど、私は職場は仕事をする所と考えていましたから、あまり周りのことは気にしないようにして自分の仕事をしていました。それより、ちょっとお聞きしたいことがあるんですけどいいですか?」
CC
「はい、どうぞ。」
太田さん
「応募書類を見てもらったらわかると思うんですけど、私、今の会社が派遣を入れると5社目なんですね。ですから今度転職するとしたら5回目になるわけですよ。これって、転職回数としては多い方なんでしょうか?実は、私の大学時代の友人が、卒業して正社員の就職ができなくて、契約や派遣で何社か変わって仕事していたんですけど、結婚して辞めたんですね。子育ての間は仕事してなかったんですけど、最近また働こうと思って就職の相談窓口に行ったら、転職回数が多いから正社員は難しいと言われたらしいんです。特に40歳過ぎて事務職は無理だと…。」
CC
「太田さんのお友達がそのようなことを言われたんですね。太田さんはその話を聞いた時どう思われたのですか?太田さんは、ご自身の転職回数は多いと思われますか?」
太田さん
「友人がそんな風に決めつけられたのが腹立たしいです。結局彼女はパートで働き始めたんですけど。転職は回数の問題じゃないと思いますし、年齢で事務職が無理だなんて理由がわかりません。」
《ご参考》年代別の転職回数はどのくらい(リクナビNEXT 2017年調査)
リクナビNEXT▶
転職回数が多いと不利?年代別の転職回数と採用実態
CC
「そうですね、太田さんの場合、転職されても人事や総務の事務のお仕事を一貫してやってこられていますから、おっしゃるように回数の問題ではないですよ。相談窓口など他人のアドバイスを聴くことも必要ですが、ご自分の仕事や人生にも関わることですから、納得いかない事には振り回されない方が良いですね。転職理由も人それぞれで、太田さんの最初の転職のように、会社の経営方針が変わったからとか、ご家族の事情でやむを得ずというような場合もありますよ。転機のその時に、どういう選択をするかを決めたのは太田さん自身ですから。後悔などされていないでしょう。」
太田さん
「もちろんです。そう言っていただいてすっきりしました。私もそう思っていましたから。」
CC
「見せていただいた職務経歴書からも、太田さんがこれまでのご自身のキャリアに、自信や誇りを持っておられると感じました。ただ、転職活動においては、希望する仕事に関するデータや情報をできるだけ集めることや、求人の状況や、採用する側の求めている人材を知っておくことも大事ですね。ご自身の経験やスキル、将来の目標、それから譲れない条件や希望する待遇なども整理して、現実にある仕事や求人と折り合いをつけて行くことを考えて行く必要がありますよね。」
太田さん
「それは、わかります。私も人事関係の部署にいますから、時々採用担当の同僚から中途採用の応募者の話を聞くこともあります。例えば、営業職の募集なのに全く経験が無かったり、ちょっと違うんじゃないかなって方も、給料が他よりいいからって応募してくるみたいです。ですから、私も今から営業とか、やったことのない仕事に転職しようとは思わないんです。」
《ご参考》職種別の異なる職種への転職割合(転職情報サイトdoda 2014年3月 より)
doda▶
未経験の業種・職種に転職できる可能性はどれくらい?
☞例えば、企画/事務系の職種の方のおよそ6割(赤い部分)は、同じく企画/事務系の仕事へ転職していることが上記グラフからわかります。
CC
「太田さんは、今までやってこられた仕事をベースに、さらに収入アップを目指して転職したいと考えておられるということでしたね。そうすると、一度、太田さんがこれまでの20年間のお仕事の中で身につけたり、高めてこられたりしたスキルや能力を棚卸して一緒に整理してみたいと思うのですがいかがですか?」
太田さん
「ええ、わたしがやってきた仕事やキャリアは、今見ていただいている職務経歴書に詳しく書いてあるつもりなんですけど…。」
CC
「確かに、とても詳しく書いていただいていますね。やはり収入アップを目指すとなると、応募先の採用担当者の見る目も厳しくなるでしょうし、だからこそ太田さんの職歴やアピールできることをもう少し絞ったほうが相手に伝わりやすいと思います。一つの改善点として、今のお仕事も加えて、職経歴書の初めに『職歴概要』という形で、これまでの経歴を簡潔にまとめるとわかりやすいと思います。それから、経歴の時系列を新しいものからさかのぼって書くとか、年表形式の形でまとめるとか、工夫の余地がありそうですね。そうしてまとめると、枚数もこの半分の2枚くらいになって読みやすくなると思いますよ。」
太田さん
「なるほど、ちょっと盛り込み過ぎということですね。そう言えば4年前、今の会社に入る前に職業訓練を受けようとしたことがあって、その時『ジョブ・カード』を作りました。多分、家にあるので今度持って来ます。結局、訓練が始まってすぐに今の会社に採用になりましたから途中でやめたんですけど、それまでの経験や身につけた能力などを振り返って書いた記憶があります…。正直言って、今度もっとお給料のいい仕事に転職できるかちょっと不安もあるので、受かる応募書類にする方法を教えていただけますか?」
《ご参考》ジョブ・カード制度総合サイト(厚生労働省)
※様式の一部に、押印欄の削除などの改正がされました。
CC
「ええ、太田さんの強みや高いスキルが伝わりやすくなるように、表現や工夫できるところを次回一緒に考えてみましょう。転職する場合、仕事内容や応募先をイメージしながら志望動機を作る必要もありますしね。それから、私の方で参考までに、比較的給料の高い事務系求人をいくつか探してみます。」
つづく
次回予告
太田さんは、キャリアコンサルタントと共にキャリアの棚卸しをしながら、今後の仕事に活かせるスキルや能力を再確認して行きます。そして、収入アップという目標に沿ったライフプランをイメージして、実際の働き方や具体的な求人にも目を向けて行きます。しかし、現実の事務系求人の中には、希望する条件や待遇を満たすものが少なく、太田さんは転職のタイミング、条件、働き方や将来設計についても、考え直してみる必要が出てきます。
以上
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