その自己PR、本当にあなたの言葉ですか?
「この自己PRよくできているね、あなたが考えたの?」就職活動の相談に来た若者に尋ねました。
話しぶりと応募書類に書かれている内容に違和感があったからです。
その人は、「これです」とスマートフォンを取り出して、少し戸惑った様子で打ち明けてくれました。
本人も自己PRの内容に自信がなくてアドバイスが欲しかったのでしょう。
就活にAIを使う学生が急増
就職活動にAI(人工知能)を使う応募者がこの数年で大幅に増えています。
大学生の就活では、半数以上とも3人に2人とも言われます。
どのように使っているかというと、企業情報の収集や自己分析、自己PRや志望動機の作成などが主な使い方のようです。
AIは、自分の強みや持っているスキル、経験、職種や働き方の希望などを伝えれば、質問した事柄の答えを出してくれます。
自己PRや志望動機も作文してくれます。
AIと対話をしながら、違った角度からさらにアドバイスをもらうこともできます。
AIと対話しながら、面接の練習をする人もいるようです。
就活の主役はAIではなく自分
企業は就職活動にAIを使うことをどう見ているのでしょうか。
企業によっては応募書類のチェックや適性検査などにAIを利用することはあっても、それだけで採否を決めるわけではありません。
やはり最後は人が確認します。
面接して決めるのです。
採用担当者は、AIで作成した自己PRや志望動機は、面接でわかるようです。
本当のことを自分の言葉で話しているのか。
どこか違和感があったりリアリティーが無かったりするのです。
AIは補助、向き合うのは自分自身
誇張することなく、卑下することもなく、等身大の自分を表現する。就職活動において大切なことの一つです。
就活という大事な場面では、AIを活用すること以上に頭や体を使って自分自身に向き合うことが必要です。
要領よくやるよりも粘り強くやりましょう。
自分のことがよくわからないままAIに答えを求めると、AIは嘘をつきます。
AIは就活の主役ではなくあくまでも補助者なのです。
キャリアコンサルタント 久保賢司