2020年10月掲載
コップ半分の量の水を見て、「もう半分しかない」と考えるか、「まだ半分ならある」と考えるかは、人によって違います。
そして、人の行動は考え方によって変わります。
就職活動に関して、様々な指標となる数字を見ることがあります。
例えば、求人や求職に関するものなら求人倍率(求人数÷求職者数)があります。
愛媛労働局の統計によると、県内の全職種の有効求人倍率(8月時点)は、前年よりは低いものの、ほぼ下げ止まっています(1.25)。
就職活動を本格化するタイミングかもしれません。
職種別にみると、サービス関連の職業は倍率がかなり高い(求人が多い)状況です。
そうすると、希望していない職種だとしても、応募してみるチャンスととらえることもできます。
就職したら、心機一転して活躍できる可能性もあるでしょう。
また、大学生の内定率(9月時点)が前年より約9%下がったというニュースもありました。
それでも約85%と高い水準です。
現時点で内定が出ていなくても、まだ卒業までに十分時間はあるととらえることもできます。
このように物事をとらえる時には、自分にとってどのような意味や影響があるのかということを、できるだけ冷静に考えたり相談したりすることが大切です。
もちろん、現実を見据えることは必要ですが、先のことや考えてもわからないことは、「やってみないとわからない。何とかなる。」と考えた方が良いのではないでしょうか。
悲観的に考えながら行動した結果より、楽観的に考えて行動した結果の方が、どのような結果であれ受け入れやすいと思うからです。
先日、中高年の方を対象にした就職相談会を見る機会がありました。
ある企業ブースの前で、ピンと背筋を伸ばした白髪の女性が話しているのが聞こえてきました。
「わたくし八十になりますの。まだ私にも何かお役に立てるお仕事はございますでしょうか?」と。
その方の人生のとらえ方を垣間見た思いがしました。
キャリアコンサルタント 久保賢司