働きたいあなたへのヒント ＨaＴaキャリ シリーズ５ 第２回（2020年5月配信）
☆シリーズ5 大学卒業後一度は就職したものの、※リアリティショックのために退職して、仕事の やりがいを求めてもう一度就職活動中の女性。
※リアリティショック…就職において、入社前の期待と入社後の現実のギャップに衝撃を受けること。
福重さん（仮名）２５歳 女性 大学卒業後1年半で離職して再度就職活動中。家族：両親と弟
（前回のあらすじ）
就職活動の相談で、キャリアコンサルタントを訪れた福重さん。大学卒業後に、総合職として就職した地元の銀行を1年半で退職した理由や、やりたかった仕事ができなかったことへの思いを吐き出すように話します。そして、やりがいがあって自分の成長にもつながるような仕事を探して就職活動中なのですが、どうも思うように行かない様子です。
（以下前回からの続き ＣＣ＝キャリアコンサルタント）
ＣＣ
「福重さんが、早くやりがいのある仕事を見つけて就職したい、自分を生かせる仕事がしたいというお気持ち伝わってきました。少し焦ってらっしゃいますか？」
福重さん
「焦ってるって言うか、こんなに見つからないと思ってなかったので。親からもどうなっているんだってしつこく聞かれるから、もうさっさと県外でもいいから仕事を決めて家を出たいんです。でも、だからと言ってどこでもいいって訳じゃないでしょ。大学で勉強したことを生かして、やりがいのある仕事がしたいっていうのが一番ですけど、お給料だってそれなりに欲しいし、やっぱり安定した会社じゃないと、これからは将来も不安だし…。」
≪ご参考≫「仕事を選択する際に重要視する観点」（子供・若者白書 内閣府より）
福重さん（つづき）
「…新卒の時は簡単に内定もらえて、親の勧めで地元に帰って就職したんですけど、今は世の中の様子や景気も急に変わってしまって厳しくて、新卒でもなかなか内定もらえないみたいだし。私これからどうなるんでしょう…。でも、今度はちゃんと考えて仕事決めたいし…。」
ＣＣ
「そうですね、今は世の中の様子や景気も急に変わって、福重さんの就職も将来もどうなるんだろうって不安なお気持ち、よくわかりますよ。親御さんも心配されていて、早くやりがいのある仕事を見つけたいんだけれど、お給料のことや将来のことを考えると安定した会社じゃないと不安な気持ちもあるんですね。それでも、今度はちゃんと考えて決めたいんですね。ところで福重さん、前の会社を辞める時は一人で決めたとのことでしたが、今の就職活動についてどなたかに相談されていますか？」
福重さん
「高校の同級生や大学時代の友人何人かとは時々ラインで連絡取ってますけど、みんな仕事が忙しいみたいだからちょっと遠慮してしまいますね。人材紹介会社は登録の時やその後も、オンライン相談は一応やってます。時々アドバイスもくれますけど、何かピンとこないところもあって…。」
ＣＣ
「お友達への相談は遠慮されているんですね。では、求人はどのように探されていますか？やはり人材紹介会社からの紹介ですか？ハローワークや県のサイトなどは利用されていますか？それから、どこか実際に応募した所や、応募したい所があれば、よかったら教えていただけますか？」
福重さん
「転職情報サイトは時々見ています。ハローワークは、失業保険の手続きで行っていましたけど、辞めて半年以上たつから失業保険も終わっちゃいましたし。それからはインターネットで情報を見ていますけど、正直言って仕事の内容やお給料の面でもあまり私が希望する求人は県内にはなさそうですよね。一度ハローワークで相談した時にも、私が希望するような求人はない、もっと幅を広げないとだめと言われました…。実はいろいろ迷ってしまって、応募はまだなんです…。」
ＣＣ
「福重さんは、人材紹介会社やハローワークでお仕事の情報収集されてるけれど、迷われていることもあって、まだ実際の応募はされていないということですね。ハローワークでは、県外の求人情報も探せることはご存知でしたか？失業保険が終わってからも、窓口で相談することもできますよ。若い方専用の窓口もありますし。」
福重さん
「そうですか、県外の情報が見られるとは知りませんでした。でも、やっぱり医療・福祉や接客・販売や営業とか、私のやりたい仕事とはちょっと違うのばかりじゃないですか…。」
≪ご参考≫「転職情報の入手について」（エン・ジャパン調査 ミドルの転職より）
ＣＣ
「福重さん、もう一つうかがいたいのですが、よろしいですか？福重さんは、早く就職先を決めたいと、今度はちゃんと決めたいと、おっしゃいました。親御さんも心配されている様子で、そんな中でこれまでがんばって来られました。ご自身としては、率直なところ今、いつごろまでに決めたいというお考えやご事情はありますか？例えば、経済的な面で。」
福重さん
「うーん、今は親に食べさせてもらっているから、お金のことはあまり心配ないですけど、早いに越したことはないです。もう、うるさいし、いつまでも家にいるわけにはいかないけど、いつまでにというのは…。正直このままじゃ決まらないんじゃないかって弱気になることもあるし、次を決めてから辞めればよかったって思うこともあるし…。でも、妥協はしたくないから、今はまだ様子見た方が良いのかなと思うこともあって。でも、辞めてからもう半年以上たつから、とりあえず派遣でもいいからどこか県内の適当な所に就職して家を出て、そこで働きながら何か資格でも取って、次を目指そうかとか･･･。いろいろ考えてはみるんですが…。」
ＣＣ
「福重さんは、これまでご自分のお仕事のことや将来のことを、お一人で考えてこられたんですね。妥協はしたくないというお気持ちと、弱気になることもあると正直にお話しいただいた…。オンラインの相談はされても、いろいろと迷うこともあっても、お友達やご家族にもあまり相談できなくて、しんどかったでしょう？」
福重さん
「えっ、まあ…、そうですね…。…でも、早くしないと、私だけ取り残されている感じが…。」
ＣＣ
「取り残されている感じ…。それでは、福重さん。福重さんができるだけ早くお仕事を決めるために、やりがいを感じられそうな仕事や、福重さんの強みや、会社選びにあたって重視したいことなどを、もう一度整理してみませんか。その上で、これからの就職活動の進め方や目標をどうするか一緒に考えてみませんか。」
福重さん
「あっ、はい。私もそうして欲しいです。その方が良いと思います。いつ来たらいいですか？」
つづく
次回予告
キャリアコンサルタントに、将来の不安や就職活動における迷い、相談できる相手が少なくて 取り残されているような気持ちを聴いてもらった福重さん。自分一人でがんばろうという気持ちから、困った時は心を開いて相談してみようという気持ちになります。そして、キャリアコンサルタントの問いかけに応える形で話を続けて行く中で、自らの置かれている状況や仕事のやりがいに向き合い、これからの就職活動の進め方や目標が少しずつ見えてきます。
以上
