HaTaキャリ 仕事のやりがいを求めてもう一度就職活動中の女性①

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HaTaキャリ 仕事のやりがいを求めてもう一度就職活動中の女性①

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ5 第1回(2020年4月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ5 第1回(2020年4月配信)

☆シリーズ5 大学卒業後一度は就職したものの、※リアリティショックのために退職して、仕事のやりがいを求めてもう一度就職活動中の女性。

※リアリティショック…就職において、入社前の期待と入社後の現実のギャップに衝撃を受けること。


福重さん(仮名)25歳 女性 大学卒業後1年半で離職して再度就職活動中。家族:両親と弟


関西の有名大学の経済学部を優秀な成績で卒業して、地元に帰って銀行の総合職として就職した福重さん。
大学での専攻や自分の希望を生かして、地域経済の調査分析や企業のコンサルティングの仕事をしたいと考えて入社しました。
しかし、配属先は地域の支店。現場業務の予想以上の幅広さや多忙さや厳しい目標管理の現実の中で、やりがいを感じられなくなります。
福重さんは、思い切って退職し、本当にやりがいが感じられる仕事を求めて就職活動を始めるのですが…。


※リアリティのある内容にするため複数の人物やケースをモデルにしていますが、登場人物、場面設定、職業、本文の会話や内容等はテーマの趣旨の範囲で変更、修正、脚色しています。


CC=キャリアコンサルタント

「福重さんですね。就職活動のご相談とのことですが、どのようなご相談ですか?」


福重さん(仮名)

「ええ、聞いてくれますか。私、今就活中なんですけど、なかなかやってみたい仕事が無くって、どうしようかと思ってるんです。人材紹介会社にも登録はしてるんですけど、関西や東京の大手 企業ばっかりで。別に県外でもいいんですけど、やっぱり地元じゃいい所は無いんでしょうか?」


≪ご参考≫厚生労働省職業安定局 人材サービス総合サイト

CC

「福重さんは、今就職活動をされているんですね。地元でお仕事を探しているけれど、やってみたい仕事がなかなか見つからなくて困ってらっしゃるということでしょうか?もう少し詳しくお話を聞かせてもらえますか?」


福重さん

「私、おととし関西の大学卒業してこちらに帰ってきて、銀行に就職したんです。銀行なら安定してそうだし、父が卒業したら帰って来いって言うものですから。でも、仕事が思っていたのとあまりにも違っていて、総合職で入ったのに正直言ってやりがいとか無かったですし、何となく周りにもなじめなくなってきて、去年の秋に辞めたんです。それからしばらくは家に居て公務員試験でも目指そうかと考えたんですけど、やっぱり違うなあと思って、今年になってから就活始めてみたんです。でも、自分の大学の専攻が生かせそうな、ここなら受けてみたいっていう所が無くって…。学生の時と違ってこっちは求人も少ないし。安定した大手で、やりがいのある仕事を選ぶのなら、やっぱりまた関西あたりで就活した方が良いかなと思ってるんですけど、どう思います?」


 ≪ご参考≫新卒入社3年以内の離職率(マイナビニュースより 出典:2018年 厚生労働省)

・2015年3月新規学卒就職者の3年以内離職率(出典:厚生労働省Webサイト)

・2015年3月新規学卒就職者の3年以内離職率(出典:厚生労働省Webサイト)

CC

「福重さんは、大学を卒業してすぐに銀行にお勤めになったけれど、お仕事にやりがいが感じられなくて辞めたんですね。それから、就職活動を始めてみたけれど、やってみたい仕事が見つからない…。福重さんにとってやりがいのある仕事って どんなお仕事なのですか?」


福重さん

「そうですねぇ、どうしてもやりたいってほどじゃないんですけど、私、大学が経済学部だったんで、※グローバル経済が日本の企業経営に与える影響とかを卒論のテーマにしましたし、学生の時の就活は、ゼミの教授の紹介で大手のコンサルティング会社なんかも受けて一応内定もらった所もあったんです。でも、親が卒業したら帰って来いって言うんで、じゃあ一応地元の銀行も受けてみようかって思って受けたら受かっちゃって。それでどうしようか迷ったんですけど、大手のコンサル会社って結構競争が厳しいみたいだし、女性活躍とか言ってますけど意外と男性社会だって話も聞いたんで、銀行の方が自分のやりたいこともできて気楽かなと思って、銀行にしたんです。」


CC

「そうすると、福重さんは企業の経営コンサルティングのようなお仕事がしたいのですか?」


福重さん

「まあ、そんなところですかね。これからの少子高齢化社会を見据えた国の政策や業界やマーケットの動向を、データや理論に基づいた※エビデンスをもとに分析して、企業戦略や顧客サービスの提案をしてゆくような仕事に憧れがありますね。これからの時代は、女性ならではの視点や感性も生かさないと、企業は生き残って行けないと思いますし。※ダイバシティの時代ですから。」

※グローバル=世界的な、国際的な ※エビデンス=証拠、根拠 ※ダイバシティ=多様性、多角経営


CC

「入社された銀行では、そういったお仕事ができる見通しはなかったのですか?」


福重さん

「私、総合職採用だったので、一か月の新人研修が終わったら本部に勤務できると思っていたんです。でも、最初の配属が街中の支店でした。それも経験かなと思って、1年くらいは我慢しようと思ったんですけど、取引先は地元の中小企業や小さな商店ばかりだし、窓口にくるのはお年寄りが多くて手間がかかるし、銀行の仕事ってまだまだ面倒な書類や雑用みたいなことも多くて、思っていたのと違うなあと思って。将来のキャリアパスも描けないから、本部に異動したいって上司に お願いしたんですけど、もう1年待てって言われて。そうしたらその上司は転勤して、新しく来た支店長が相当厳しい人で、目標数字はまだ2年目の私にも男性と同じくらい割り当てが来るし、できないと問い詰められるし、育休スタッフのフォローもしなきゃいけなかったり。店の雰囲気もギスギスしてきて、もう嫌になったんです!」


≪ご参考≫就労等に関する若者の意識(平成30年 内閣府より)

☞最初の就職先を辞めた主な理由についての調査

☞最初の就職先を辞めた主な理由についての調査

CC

「入社された銀行のお仕事が、福重さんが入社前に思っていたイメージとかなり違っていて、やりがいも感じられなくて、2年目からは職場の雰囲気もギスギスしてきて、もう嫌になって辞めたということなんですね。」


福重さん

「そうなんです。もっと、やりがいがあって、自分の成長にもつながるような仕事があるんじゃないかって思ったんです。今はまだ売り手市場だから、既卒でも就活したらどこかもっといい所があるだろうって。はっきり言わせてもらうと、銀行の仕事は私のやる仕事じゃないなあって。」


CC

「私のやる仕事じゃないと…。辞める時には、どなたかに相談されましたか?先輩や同期の方にお仕事や職場のことで。」


福重さん

「いえ、辞めるんだったら早い方が良いと思って、一人で決めました。自分のことですから。支店長や人事から、辞めると言ったら急に、よく頑張ってるから次の異動まで待つようにと言われましたけど、自分の中でそういう問題じゃなくなっていて、モチベーションが切れた感じで、もういいやって思ってしまったんです。だからもう、やりがいのある仕事を見つけて就職するしかないんです。わかってもらえます?私、自分を生かせる仕事がしたいんです。まだ25だから、結婚は自分のキャリアパスが見えてからでいいんです。だから早く見つけたいんです。おかしいですか…?」


つづく


次回予告

就職活動の相談で、仕事のやりがいや離職理由、今の思いを吐き出した福重さん。キャリアコンサルタントの問いかけに応える形でさらに話を続けます。そんな福重さんの話に、キャリアコンサルタントが耳を傾け続けるうちに、福重さんは少しづつ自分の強みや弱み、自らの置かれている状況に向き合い、これからの就職活動の進め方や仕事のやりがいについて考えを深めて行きます。


以上

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