HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性③

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HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性③

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第3回(2020年3月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第3回(2020年3月配信)

☆シリーズ4 定年まで10年を切り、今後の仕事の役割やキャリアビジョン*1を考え始めた女性。

※1 キャリアビジョン=人生や仕事において、自分自身のなりたい姿のこと。


小芝さん(仮名)50歳 女性 機械メーカーの製造部門で働き30年余 家族:実母と同居


(前回のあらすじ)

 キャリアコンサルタントからこれまでのキャリアを認められた小芝さんは、この先10年の働き方をイメージしてみて、新たな仕事の事だけでなく将来の年金や親の介護など気がかりなことを認識します。しかし、その中でまずは品質管理部門の仕事やキャリアを積み重ねて行くうえでの課題に向き合うことを優先して。そのために必要な能力開発や自己研鑽の機会について自ら調べてから、再度キャリアコンサルタントとの面談に臨むことになりました。


(企業内セルフ・キャリアドック※2担当キャリアコンサルタントとの面談という設定です)

※2 セルフ・キャリアドック=従業員のキャリア形成における“気づき”を支援するために、年齢、就業 年数、役職などの節目において、従業員が定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を、企業が設定するしくみのことです。

《ご参考》セルフ・キャリアドック普及拡大加速化支援サイト(厚生労働省)


CC=キャリアコンサルタント

「小芝さん、この前お会いした後、会社の中で受けられる研修のことなどを調べてみましたか?」


小芝さん

「ええ、実は、先日面談していただいた後、上司と話す機会があったんです。上司も、私たちの面談のことは気にかけてくれていたみたいで。上司と言っても私と同じ年で、大卒の総合職の方ですから入社したのは私より後だと思うんですけど。私と同じように、キャリア研修受けて個別の面談も受けられたようです。」


CC

「上司の方と、どのようなお話をされたのですか。差し支えなければ聞かせていただけませんか?」


小芝さん

「ええ、差し支えあるような話ではないので大丈夫です。私の方から、もっとスキルアップや自己研鑽したいのでどうしたらいいかって聞いてみたんです。そうしたら、上司も相談に乗ってくれてアドバイスしてくれたんです。社外の研修や職業訓練は、仕事のスケジュールを調整して参加して良いと言われました。ちょっと意外でした。それから、私、去年秋の異動で今の部署に来て主任になったんですけど、今年の夏には主任研修に参加しないといけないみたいです。」


CC

「主任研修ってどんな研修なんですか?」


小芝さん

「品質管理の仕事のスキルの研修というよりは、職場の環境づくりや業務の効率化や課題の解決とか、そういう面で『主任』としての役割やリーダーシップとか。ちょっと難しそうですけど…。でも、上司からは、そういうスキルや役割も今まで以上に大事だと言われました。」


CC

「小芝さんには、会社は品質管理のお仕事のスキルアップだけでなく、品質管理部門の『主任』としての役割やリーダーシップも期待しているということですね。どう思われますか?」


《ご参考》ビジネススキルの3分類(カッツモデル)

◎上の図表の見方…赤い実線、破線、丸囲みに注目してください。

☞小芝さんの例では、主任という職位に昇進(縦軸)することによって、仕事において求められるスキルのうち、コンセプチュアルスキル(考える力/課題達成力など)の割合(横軸)が増えると考えられています。なお、中央部(網掛け)のヒューマンスキルは職位の上下に関わらず求められます(横軸の割合の幅が同じ)。この図は、会社の中のキャリア形成だけでなく、転職や再就職においても、一般的に求められるスキルを考えるうえで参考になります。


小芝さん

「そうですね、ずっと製造の現場で仕事させてもらったことに、やりがいやプライドもあったので、今の部署に異動になった時には戸惑いや焦りもありましたけど、これから私がやるべき事や役割を上司からアドバイスしてもらって、大分気持ちの整理ができました。正直に言うと、リーダーシップとかいろんな役割とか、私にやって行けるかまだあまり自信はないんですけど…。」


CC

「今はまだあまり自信はないけれど、ご自身の主任としての役割について上司からアドバイスをもらったことで気持ちの整理がついて、前向きにがんばってみようという気持ちもありますか?」


小芝さん

「もちろん自信がないからやめたいわけじゃないし、逃げられるわけじゃないですから。上司からも主任研修やスキルアップの研修は受けて良いって言ってもらえたし、全部一人で背負わなくてもいいと言ってもらえたので、やれるだけがんばってみようと思っています。」


CC

「そうですね、ずっと地道にこつこつがんばってきた小芝さんなら、前向きに仕事や役割に取り組まれて、周囲のベテランスタッフや若い一般職の方々にも、良い影響が広がりそうですね。主任の役割にこれまでの現場経験は生かせるでしょうし、リーダーシップにも率先垂範タイプやまとめ役タイプなど、いくつかの形がありますよ。自己研鑽や研修は、まず社内研修やOJTを優先して、それらを補うような意味で社外研修に参加してみると良いんじゃないでしょうか。」


《ご参考》

中小機構HP


中小機構(広島校)2020年度 ビジネススキル関連研修

小芝さん

「わかりました。仕事やキャリアのことを考える時、まずは目の前のことをしっかりやらないと、先につながって行かないですよね。いろんな問題は優先順位つけて考えて行かないといけないですね。今までちょっと肩に力が入り過ぎていたかなと思います。」


CC

「そう思われたのですね。それから、会社の中でのキャリアについては、今回のような面談の時だけでなく、半年か1年に一度は会社の目標管理や人事評価の上司との面談もあるでしょうから、率直に相談されると良いですね。そのためにも、日頃から上司だけでなく周囲のベテランさんや他の部署のスタッフとのコミュニケーションを大事にしておくと、仕事の面でも助けてもらえるかもしれませんね。」


小芝さん

「わかりました。もう時間ですね。いろいろ話を聴いていただいてありがとうございました。」


《ご参考》厚生労働省「能力開発基本調査 平成28年」より

シリーズ4 おわり


◎その後…

 上司のアドバイスやキャリアコンサルタントの面談によって、自らの会社の中での役割や働き方が見えて来ました。そして、主任研修を受けて自らの役割や会社の方針を確認できたことで、仕事に対するモチベーションも高まります。小芝さんは、職場のコミュニケーションを大切にしながら、まじめに謙虚に仕事と役割に向き合って行きます。


<50代社員の仕事等の満足度調査>(女性正社員50代・60代におけるキャリアと働き方に関する調査 21世紀職業財団 2019年9月)

<ベテラン社員に求められるスキル&マインド>PHP研究所より

・常に挑戦を続けること ・当時者意識を強く持つこと ・良い影響を周囲に与えること ・異なる価値観を否定しないこと ・新しい環境で課題に取り組むこと ・具体的な成果を上げること ・正しい倫理観 


次回☆シリーズ5(予告)※内容は変更する場合があります。

 大学を卒業して一度は就職したものの、1年で退職してしまった女性。その後、自分のやりたいことを模索しながら就職活動を再開します。ところが、売り手市場と考えていた就職環境が大きく変わり始めたことで、自分の将来に対する迷いや不安が生まれてきます。

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