HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性②

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HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性②

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第2回(2020年2月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第2回(2020年2月配信)

☆シリーズ4 定年まで10年を切り、今後の仕事の役割やキャリアビジョン※1を考え始めた女性。

※1 キャリアビジョン=人生や仕事において、自分自身のなりたい姿のこと。


小芝さん(仮名)50歳 女性 機械メーカーの製造部門で働き30年余 家族:実母と同居


(前回のあらすじ)

会社主催のキャリアデザイン研修を受けて、自らの強みや今後の働き方を考え始めた小芝さん。実は、長年地道に働いてきた部署から昇格を伴う異動があり、新しい仕事に戸惑い苦心している ことをキャリアコンサルタントに打ち明けます。キャリアコンサルタントが、そんな小芝さんの思いや働き方を認めて、強みをポジティブにフィードバックすることで、小芝さんは自らのキャリアを改めて肯定的にとらえて、定年までの働き方についても前向きに考えるようになりました。

 

◇企業内セルフ・キャリアドック※2担当キャリアコンサルタントとの面談という設定です。

※2 セルフ・キャリアドック=従業員のキャリア形成における“気づき”を支援するために、年齢、就業 年数、役職などの節目において、従業員が定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を、企業が設定するしくみのことです。

《ご参考》セルフ・キャリアドック普及拡大加速化支援サイト(厚生労働省)

(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)

CC

「小芝さん、これから10年のお仕事や働き方についてイメージしてみて、こうなりたいという 希望や目標や、あるいは何か気がかりなことはありますか?」


小芝さん

「そうですね、やはり今の品質管理の仕事に早く慣れて、しっかりと仕事ができるようにならないといけないと思います。ミスは許されない責任重大な仕事だと思いますから。それから…。」


CC

「それから…?他に何かお話したいことはありますか?」


小芝さん

「うーん、気がかりなことと言えば、私は今、母と暮らしているんですけど、もうすぐ80歳になるし、今は元気ですけど将来もし介護が必要になったりしたら、私は仕事を続けられるのかと時々心配になることがありますね。弟の家族は県外にいますから、私が何とかしなきゃいけないでしょう。」


CC

「そうですね、これからの仕事や働き方を考える時、ご自身やご家族の健康も気になりますよね。」


小芝さん

「うちの会社にも、親御さんの介護でご苦労されている方もいらっしゃるみたいですし。それから自分の年金のことや老後のお金のことも気になりますね。最近、人生100年時代とか、老後に何千万も貯金がないと生きて行けないとか聞きますし、どうなんでしょう…。」


CC

「いろいろと気がかりなこともありますよね。会社の皆さんも、それぞれのお考えやご事情もあると思いますので一概には言えませんが、ライフプランを考えてみることも必要でしょう。ただ、知らないことで余計な不安を抱くより、確かな情報を集めたり、人に相談したり、できる事からやってみたりすると、段々と自分にとって大切な事がわかってきて、先が見通せるようになると思います。それに、この先もいろいろな人との出会いや関わりの中で、仕事や暮らしも変わることがあるかもしれませんね。」


小芝さん

「そうですね、研修の中でもライフプランや年金の話もありましたけど、正直よくわかってないこともあって…。自分でも、もう少し勉強してみます。」


CC

「年金のお受取見込み額は、毎年『ねんきん定期便』で大体わかりますし、退職金の見込み額も、今後は人事部から毎年通知が来ると思います。それから、お話のあった親御さんの介護については、お時間ある時に少しずつ情報収集しておかれるとよいでしょう。市役所に、介護保険制度についてわかりやすくまとめた無料冊子がありますし、お近くの地域包括支援センターなどに一度相談に行ってみてもよいかと思います。」


《ご参考》

介護離職ゼロ ポータルサイト(厚生労働省)

介護保険課 松山市公式スマートフォンサイト

CC

「小芝さん、これからのことでいろいろと気がかりなことはあると思いますが、今回のキャリア支援の面談は、お一人の回数に限りがありますので、まずは小芝さんのこれらの会社の中での働き方や役割について一緒に考えてみましょう。」


小芝さん

「ええ、わかりました。先々のことを心配し過ぎて迷うよりも、今はまず、仕事のことですよね。」


CC

「小芝さんは、早く今の品質管理の仕事に慣れてしっかりと仕事して行きたいとおっしゃいましたね。地道にこつこつお仕事に取り組んでこられた小芝さんなら、今はちょっとしんどい事もあるかもしれませんが、乗り越えてやって行けそうですね?そのための課題は何かお考えですか?」


《ご参考》働く50代女性一般職(正社員)に対するモチベーション調査

Q.「あなたは仕事をする上でこれまで主に何を重視してきましたか?年代毎に3つ選んでください。」

(女性正社員50代・60代におけるキャリアと働き方に関する調査 21世紀職業財団 2019年9月)

☛50代の女性一般職の方々に、20代からこれまでの仕事に対するモチベーション(重要な動機づけ)を聞いたところ、50代になると「確実に仕事をこなし、信頼を高めること(青い実線)」に高いモチベーションを感じる一般職女性が最も増えています。


小芝さん

「そうですね、やはりもっと勉強しなきゃいけないと思います。品質管理の仕事は、異動になった時に前任の方から引き継ぎを受けて、その後業界団体主催の基礎研修に行って、それからは現場で教えていただいたり、分厚いマニュアルを見ながら自分で勉強したりしていますが、まだまだ専門的なところはわからないことも多くて…。今の部署は、皆良い方なんですけど、どちらかというと職人タイプの方も多いから、主任の立場で何度も聞きにくい雰囲気もありますから…。」


CC

「小芝さんは、昇格もされてこれからさらに新しい仕事にも挑戦されるわけですから、研鑽の場やご自身の能力開発の機会も必要だと思います。業界や社内の研修メニューの内容や受講条件などについて、ご自身でも調べてみてはいかがでしょう。私の方でも、在職者の方向けの職業訓練などの社外研修について調べてみましょうか。」


《ご参考》ハロートレーニング(在職者向け職業訓練)

小芝さん

「ありがとうございます。どんな研修が受けられるのか、費用は会社に出してもらえるのか、私も調べてみます。それで、今日はもう職場に戻らないといけないので、もう一回面接していただけますか。」


CC

「わかりました。私からも小芝さんの面談希望を人事の方に伝えておきますので、上司の方の許可をもらってから、面談日時は小芝さんが人事の担当者に確認してみてください。」

つづく

次回予告

 キャリアコンサルタントとの面談の中で、まずはこれから品質管理部門で新たなキャリアを積み重ねて行くための課題を再認識した小芝さん。仕事のスキルアップに必要な能力開発や自己研鑽に励みながら前向きに働く気持ちになります。一方で、主任に昇格したことに伴う上司や会社から期待されている役割や課題、そして自らの定年までの働き方やキャリアのイメージについても考えます。

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