HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性①

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HaTaキャリ 今後の仕事の役割やキャリアビジョンを考え始めた女性①

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第1回(2020年1月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ4 第1回(2020年1月配信)

☆シリーズ4 定年まで10年を切り、今後の仕事の役割やキャリアビジョン*1を考え始めた女性。

*1 キャリアビジョン=人生や仕事において、自分自身のなりたい姿のこと。

小芝さん(仮名)50歳 女性 機械メーカーの製造部門で働き30年余 家族:実母と同居

高校卒業後機械メーカーに就職し、製造部門で地道に働き続けてきた小芝さん。

入社して30年余りが過ぎ、部署や役割が変わり、気持ち新たに仕事に励みつつも苦心していました。

そのような中で、50歳という節目の年齢の社員を対象にした会社主催のキャリアデザイン研修に参加することになりました。

その後、キャリアコンサルタントとの個別面談の中で、自らのキャリアを振り返ることや、定年までの企業内での役割や働き方について考えることの大切さに気づきます。

※リアリティのある内容にするため複数の人物やケースをモデルにしていますが、登場人物、場面設定、職業、本文の会話や内容等はテーマの趣旨の範囲で変更、修正、脚色しています。


(企業内セルフ・キャリアドック*2担当キャリアコンサルタントとの面談という設定です)

*2 セルフ・キャリアドック=従業員のキャリア形成における“気づき”を支援するために、年齢、就業 年数、役職などの節目において、従業員が定期的にキャリアコンサルティングを受ける機会を、企業が設定するしくみのことです。

《ご参考》セルフ・キャリアドック普及拡大加速化支援サイト(厚生労働省)


CC=キャリアコンサルタント

「小芝さん、今回の面談は小芝さんがこれから会社の中でどのように活躍して行くかということについて一緒に考えてみたいと思っています。まず、先日のキャリアデザイン研修を受けた感想からうかがいたいのですが、いかがでしたか?」


小芝さん(仮名)

「ええ、入社して初めてあのような研修を受けたんですけど、受けてみて良かったと思います。受ける前は、今さらどんな研修なんだろうって思っていましたけど。」


CC

「どんなところが良かったですか?」


小芝さん

「うーん、自分の強みや弱みを自己分析してみるとか、キャリアとか、定年までの働き方とか、あまり考えたことがなかったので。そういうことも考えなきゃいけない年なんだなって思いました。毎年、上司との面談で1年の成果の振り返りや次年度の目標の話はしていましたけど。」


CC

「そうですね、仕事のことを考えることはあっても、ご自身の自己分析とか長い目で見たキャリアについては、あまり考えることはなかったのですね。自己分析してみてどうでしたか?」


小芝さん

「私は、高校卒業して学校推薦でこの会社に入って、もう30年以上ずっと働いてきました。まだバブル景気の頃でしたから、同期入社の女性は十数名いたと思いますけど、今もいるのは私を入れて数名です。これまでやってこられたのは、仕事が好きだったからなんだと思います。」


CC

「小芝さんは、この会社で30年以上ずっとお仕事をがんばって来られたんですね。おつかれさまです・・・。一つのお仕事を30年以上も続けてきたことは、それだけで小芝さんの強みと言えるのではないでしょうか。」


小芝さん

「そうなんです。私、地道にこつこつやってきたんです。ずっと製造部でものづくりの仕事をしてきましたけど、会社が新しい製品を開発したりロボットを入れたりすると、作業工程や仕事のやり方も当然変わりますから、その都度作業スキルの研修を受けたりいろんなことを勉強したり、試行錯誤しながら、ただまじめにやってきただけなんです。」


CC

「小芝さんは、地道にこつこつとお仕事のスキルを身につけて、キャリアを積み上げて来られたんですね。まじめに努力も続けて来られたんですね。」


小芝さん

「わかっていただけますか。そう言っていただけると嬉しいです。もちろん、仕事は私一人の力でできるものじゃないし、先輩方に教えてもらったり、周りの人に支えてもらったからやってこれたんだと思います。私、ものづくりの仕事を皆と一緒にするのが好きだったんです・・・。」


CC

「好きだった?」


小芝さん

「・・・ええ、実は、去年異動で同じ製造部の品質管理グループの主任になったんです。それからは、製品のデータチェックとか試作品の試験とか、製造ライン作業の効率化や安全性とか、そういう事も担当するようになって、現場を視察したり、検査機器を使って調べたデータを分析したり、一人でする仕事が増えたんです・・・。責任も重くなったし、それまでとは違ったストレスも増えたみたいで、今はちょっとしんどい時が・・・。」


CC

「今はちょっとしんどい・・・。去年から、品質管理の主任に昇格されて仕事の内容も変わって、より責任のある仕事を任されるようになって、ストレスも増えたと感じているんですね。」


小芝さん

「うーん、そうですね・・・。」


CC

「上司や周りの方から、何かアドバイスをもらったりサポートしてもらったりしていますか?」


小芝さん

「私が入社した当時、女性は皆一般職採用でしたし、総合職の男性と違って主任にまでしてもらえたのはありがたいことですから、もっとがんばらなきゃいけないと思っています。部長からは、会社としてももっと女性に活躍してほしいから、焦らずにがんばってほしいと言われています。以前の製造課の仲間とも、なるべくお昼を一緒に食べながら話を聞いてもらったりしています。」


CC

「小芝さんは30年以上、地道にこつこつと仕事に向き合って来られたし、製品のことや作業現場のことを良く知っておられるからこそ、会社としても品質管理の仕事でも活躍できると評価して主任に昇格させたのではないでしょうか。それから、私は、仕事で『活躍』するということは、華々しい成果を上げることやキャリアアップすることだけでなく、小芝さんのように『地道にこつこつ仕事をやり続ける』という活躍の仕方もあると思うのですが、いかがですか?」


小芝さん

「そうですよね。女性の活躍って、キャリアウーマンと言われるような人たちが会社の役員になるとか、家事や子育てと仕事を両立させてがんばっているとか、そういうイメージがあって、一般職で結婚もしていない私には関係ないと思っていたんです。でも、私にも活躍できる場があるなら、ものづくりの仕事は好きだし、一緒に頑張ってきた仲間もいるから、これからもずっとこの会社で働きたいと思います。」


《ご参考》Q&A 働く方々へのお役立ち情報(厚生労働省)

仕事と家庭の両立の組立を支援するサイト【両立支援のひろば】


CC

「会社としても、定年まであと何年とカウントダウンするのでなく、定年後も見据えてこれから の働き方やキャリアビジョンについて考えるきっかけにしてほしい、そして、皆さんがそれぞれの活躍できる場でまだまだがんばってほしいという思いから、今回のキャリアデザイン研修や個別面談をしているんです。今は、定年までと言わず65歳までは働けますが、小芝さんはいつ頃まで働きたいと考えていますか?」


小芝さん

「あまり先のことはわかりませんが、65歳くらいまでは働かせてもらえるなら働きたいですね。」


CC

「そうですね。今は男性も女性も、『働けるうちはいつまでも』働きたいと考えている方を合わせると、65歳以降も働きたいと考えている方が大変多いですね。小芝さん、まずはこれからの10年についてイメージしてみましょうか。」


つづく

《ご参考》平成30年版「高齢社会白書」(内閣府)より

『あなたは、何歳頃まで収入を伴う仕事をしたいですか』

次回予告

地道にこつこつものづくりの仕事一筋に働いてきた小芝さん。50歳という節目の年に、自らの新たな役割や仕事に苦心していました。その中で、キャリアデザイン研修とキャリアコンサルタントとの面談を機に、少し自信を取り戻しました。そして、これからの会社の中での役割、働き方、課題やモチベーションについて、さらに気づきや再認識を始めます。

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