働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ2第3回(2019年9月配信)
☆シリーズ2 正社員への転換を持ちかけられて、今後の働き方について迷う契約社員の女性。
窪田さん(仮名)36歳 女性 未婚 両親同居 コールセンターの事務職
(前回までのあらすじ)
窪田さんは、仕事にやりがいを感じられない中で正社員になることに戸惑い、一時は転職することも考えます。窪田さんは、キャリアコンサルタントに相談して、自身の迷いや不安・仕事の内容・やりがい・将来の希望などを話す中で、漠然とした不安や思い込みなど不十分な情報をもとに大事な判断をしようとしていることに気づきます。そこで今後の働き方を決めるために、社内の先輩に話を聞いたり、会社の人事制度について調べたり、自ら動いてみることにしました。
(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)
CC
「窪田さん、前回お会いしてから、上司の方や会社の先輩に正社員のことについてお話を聞いたり調べてみたりされましたか?いかがでしたか?」
窪田さん
「はい、実は他の部署で正社員になった先輩に話を聞いてみたんですけど、『絶対に正社員になった方がいい』って言われました。私の場合契約社員になって5年以上たつから、契約社員のままで居ようと思ったら更新なしでずっと居られるみたいですけど、転職や結婚のあてもないのなら、正社員になるべきだって説得されてしまいました。」
《ご参考》有期契約労働者の無期転換ポータルサイト(厚生労働省)より
有期契約労働者の無期転換ポータルサイト
CC
「そうでしたか、説得までされたんですね。それで窪田さんはどう思われましたか?その先輩から正社員になって良かったことや良くなかったことなど、お聞きになりましたか?」
窪田さん
「そうですね、最初は正直(先輩が)自分が正社員になったからそういうんだろうと思いましたけど、私もよく知らなかったんです。でも『5年経ったら皆が正社員になれる訳ではないってことは、あなたが今までやってきた仕事が認められたのよ』って言われてちょっと意外でした。そんな風に(会社から)見られていたんだと思うとやっぱりうれしかったですね。」
CC
「正社員になれるかもしれないということは、窪田さんのお仕事ぶりが認められたからと言ってもらって、うれしかったんですね。」
窪田さん
「はい。まあ、やりがいが無いなと思いながらも、任された仕事や社員さんからいろいろ頼まれたこともありました。またミスも結構しましたけどまじめにやってきたつもりなんです。後から入ってきたパートさんに仕事を教えたりフォローしたり、本当は社員さんがやるようなこともやってましたから。でも今の上司は今年本社から来たばかりで、いつも忙しそうであまりお話しすることもなかったから、そんな風に見てもらえているとは思わなかったんですけど・・・。」
CC
「窪田さんが最初オペレーターとして今の会社に入社された時から5年間、まじめにがんばってこられたお仕事ぶりが認められたということでしょうね。そしてこれからも一緒に働いてもらいたい、もっといろいろな仕事にもチャレンジしてもらいたいと期待されているのではないでしょうか。」
窪田さん
「うーん、ありがとうございます。そうだといいですね。私、やっぱり正社員になった方がいいんでしょうかね。」
CC
「そうですね、窪田さんご自身が納得行くように決めるのが一番だと思います。先輩のお話にもあったかもしれませんが、私も契約社員と正社員のメリットとデメリットについて、一般的な事をまとめてきました。もちろん、会社によって違いはありますが、参考にしてみますか?」
《ご参考》正社員と契約社員のメリット・デメリット ※すべての企業に該当するものではありません。
窪田さん
「あっ、それから調べてみたんですけどうちの会社の場合正社員にも種類があって、その先輩は本社から来ている上司みたいに転勤は無くて、正社員になった時に仕事は今までと変わったと言っていました。だから私も多分そうなるんじゃないかって・・・。先輩は事務職ですけど、今はうちの会社のお客様や新規のクライアントさんをまわる営業のサポートをしているらしいです。会社に来てくれたお客様対応やプレゼンの資料作り、時々営業の担当者さんと外回りすることもあるらしくて、仕事も増えて忙しくなったけど楽しいみたいです。」
《ご参考》多様な正社員とは(厚生労働省HPより)
多様な正社員とは、いわゆる正社員(従来の正社員)と比べ、配置転換や転勤、仕事内容や 勤務時間などの範囲が限定されている正社員をいいます。
◆勤務地限定正社員 :転勤するエリアが限定されていたり、転居を伴う転勤がなかったり、あるいは転勤が一切ない正社員
◆職務限定正社員 :担当する職務内容や仕事の範囲が他の業務と明確に区別され、限定されている正社員
◆勤務時間限定正社員 :所定労働時間がフルタイムではない、あるいは残業が免除されている正社員
◆いわゆる正社員 :勤務地、職務、勤務時間がいずれも限定されていない正社員
多様な人材活用で輝く企業応援サイト
CC
「今、窪田さんがお話しされた内容やお話しされている時の様子から、私は窪田さんが正社員に気持ちが傾いてらっしゃるという印象を受けたのですが、いかがですか?窪田さんの場合は、勤務地やお仕事の内容が変わるのか、また内容が変わることにともないお給料や勤務時間もどうなるのかということを含めて、やはり上司の方によく確認された方がよいと思いますね。」
窪田さん
「そうですね、上司に時間もらってよく聞いてみます。それから以前に本社から送られてきた資料もよく見てみます。先輩も言っていたんですが、上司が正社員に推薦してくれたから決まりではなくて、本社の役員と面接してから正式に決まるということですし・・・。でも正社員は目指してみたいと思います。本当にがんばってきたことを認めてくれてるのならこの会社で仕事を続けたいし、もし、部署や仕事が変われば何かやりがいも見つかるかもしれないですし・・・。」
CC
「そうですねとくに女性の場合、どんな仕事や職場でも感謝されたり認められたりすることが、やりがいにつながるのでしょうね。窪田さん、上司の方とお話しする前にこれからやってみたい仕事や働き方の希望、また大事にしたい事や譲れないことなども、もう少し整理してみませんか。」
窪田さん
「はい、こういう時は自分からいろいろな人に相談したり情報集めたりして、自分の考えをしっかり持っておかないとぶれてしまいますよね。それに転職しなくても仕事や働き方が変わるかもしれないということは、不安もあるけどチャンスですよね。」
《ご参考》
シリーズ2 おわり
◎その後・・・
正社員転換を目指すことに決めた窪田さん。キャリアコンサルタントに相談して、自分自身の働き方や生き方について、考え方や気持ちをもう一度整理しました。そして上司からよく話を聞いたうえで後日、正社員転換候補者の役員面接を受けることになりました。
窪田さんは、結婚や出産・子育て・ワークライフバランスやプチ起業のアクセサリーショップの夢も、今は脇に置くことにして目の前の一番大事な課題に向き合うことにしたのでした。
次回☆シリーズ3(予告)
40代後半のシングルマザーのBさん。離婚して以来、懸命に働きながら二人の子供を育ててきました。最近は職場の人間関係や年齢的な問題にもぶつかりながらも、二人の子供の自立を機に、これからの自身の働き方や生き方について考え始めます。