働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ2第2回（2019年8月配信）
☆シリーズ２ 正社員への転換を持ちかけられて、今後の働き方について迷う契約社員の女性。
窪田さん（仮名）３６歳 女性 未婚 両親同居 コールセンターの事務職
（前回のあらすじ）
就職氷河期世代の窪田さん。今の職場で、契約社員から正社員への転換を上司から打診されましたが、嬉しさや安心感の一方で、あまりやりがいが感じられない今の仕事で正社員になることに迷っています、窪田さんは、キャリアコンサルタントとの面談の中で、過去の就活や仕事のやりがいを振り返りつつ、このまま正社員になることのメリットや、やりがいが感じられる仕事への転職についても考え始めました。
（以下前回からの続き ＣＣ＝キャリアコンサルタント）
ＣＣ
「そうですか、窪田さんは、転職もお考えになっているんですね。求人サイトの情報などもご覧になっているとのことですが、どこか応募してみたいと思うような所はありましたか？」
窪田さん
「ええ、まあ、いろいろ（求人情報を）見てはいるんですけど、今のところこれと言った目星をつけているわけではないんです。地方にいて、お給料や福利厚生も良さそうで安定したところというと、やはり全国展開しているような会社かなと思うんですけど。でも、それなら今の会社とあまり変わらないように思いますし･･･。」
《ご参考》愛媛の求人情報を探せる主なサイト
ハローワークインターネットサービス
愛媛のバイト・正社員求人サイト ワークネット
ＣＣ
「求人情報も探してはいるけれど、今のところ目星はついていないんですね。待遇や安定の面で見て今の会社とあまり変わらないというのは？」
窪田さん
「うーん、まあ、考えてみたんですけど、求人情報を見て、いいなあと思う所もあるんですけど、そこに入れるかどうかは応募してみないとわからない訳だし、入れたとしてもまたそこで仕事を覚えて人間関係も作って行かなきゃいけないでしょう。仕事だってやりがいのあることを させてもらえるかどうかわからないでしょ。そう思うと、３０代半ばの女性の地元での転職って やっぱり大変かな。できる自信があるわけじゃないし･･･。」
ＣＣ
「窪田さんは、転職のことも考えてはいるけれど、いざとなるとためらってしまう。どうしても転職したいという気持でもないのでしょうか･･･。ところで、窪田さんは今のお仕事にあまり やりがいが感じられないから、正社員になるかどうしようかと迷っておられたと思いますが、窪田さんにとって『やりがいが感じられる』のはどんな時ですか？」
窪田さん
「やりがいですか、･･･そうですね、やっぱり販売の仕事をしていた時のように、お客様から喜ばれたり、感謝されたりすると一番うれしかったですね。そういうことでしょうか･･･」
ＣＣ
「そうすると、今のお仕事はあまりお客様と接する機会がないから、やりがいも感じられないということでしょうか？それで正社員になることも迷っている？」
窪田さん
「うーん、まあ、そういうことですかね。今の仕事は事務職ですから、お話ししたようにデータや数字やマニュアルを扱うことが中心ですし、社内や取引先の方とのやり取りはありますけど、上司や社員さん（正社員）の補佐的な仕事が多いですから。５年もやっていると、慣れてきたと いうか、ちゃんとできて当たり前ですしね。」
ＣＣ
「では、もし窪田さんが今の会社で正社員になったら、お給料は良くなるというお話でしたが、お仕事の内容や役割は変わるのでしょうか？」
窪田さん
「多分、そんなに変わらないんじゃないかと思います。詳しいことは、まだ上司から聞かされていないので分かりませんけど･･･。でも、やっぱり正社員になると仕事は増えるし、責任も重くなるんでしょうね。それに、転職したり、辞めたりしにくくなるんじゃないかと思いますし・・・。」
ＣＣ
「仕事が増えて責任も重くなることや、会社を辞めにくくなることも、正社員になることをためらっている理由ですか？」
窪田さん
「ええ、まあ、正直そういう気持ちもありますね。何だか、仕事中心の生活になってしまうような気もして･･･。本当は、いつかは結婚しても仕事は続けて、子供ができたら産休取って、また仕事に復帰して共働きしながら、子育てもしながら、っていう暮らしもいいかなと思うこともあるんです。それに、仕事以外にもやりたいことはあるんです。将来は小さくてもいいから アクセサリーのお店とかしてみたいという夢もあるんです。」
ＣＣ
「窪田さんは、仕事は続けたいし、いつか結婚しても共働きしながら子育てもしたいという思いもあるんですね。窪田さんには、仕事以外にもやりたいことがあって、将来はアクセサリーのお店をやってみたいという夢もお持ちなんですね。」
窪田さん
「･･･そうなんです。話を聴いていただいてありがとうございます。でも、お話ししたように、私の悩みは、就職氷河期の同級生からはぜいたくな悩みだと言われると思うんです。就職できなくて、ずっと派遣やアルバイトで働いてる友人もいますし、契約社員だった友人も期間満了で終わった人が多いし。女友達は子育て真っ最中が多いし。親は、結婚しないなら今の会社で正社員になれと言うだろうし･･･」
《ご参考》平成３０年 賃金構造基本統計調査（厚生労働省）より
ＣＣ
「それでは、窪田さんの親御さんからの自立や経済的な安定も守りながら、できるだけ窪田さんの希望や夢、そしてやりがいのある仕事に近づいてゆくには、今どうしたらいいか一緒に考えてみませんか。そのためにも、まずは正社員になった場合の仕事の内容や役割、待遇がどう変わるのかということについて、もう一度上司の方か本社の人事の方にもう少し詳しく聞いたり、調べてみたりすることはできますか？」
窪田さん
「そうですね。上司からは、来月末までに返事をくれと言われていますが、忙しい方なので、まずは他部署の先輩に話を聞いてみます。実は以前、婚活パーティーでご一緒したことのある方で、確か去年、契約社員から正社員になったと聞きましたから。それから、社内の人事制度や福利厚生のサイトもよく見てみます。そうですよね、自分のことですからね･･･。」
つづく
次回予告
キャリアコンサルタントは、窪田さんから正社員になった場合の仕事内容や待遇の変化を聞いたうえで、まずは正社員になることのメリットとデメリットを整理して、窪田さんが今後の働き方について判断し決めることを促します。それから、正社員になるにしてもならないと しても、これからの窪田さんの仕事のやりがいや生き方について、一緒に考えて行きます。
