2019年8月掲載
「高齢の方でもできる仕事です。」という求人広告を見て応募しようと思い、電話して自分の年齢を告げると、「今回は、若い方が希望です。」とやんわり断られました。
一般的に女性が多い作業の求人で、「男性も可」と書いてあったのでハローワーク紹介状を持って面接に行くと、「実は、今うちは女性だけの職場なんです。」と敬遠されました。
就職の相談に関わっていると、こんな話を時々聴きます。
断られたり敬遠されたりした方の中には、落胆したり憤慨したりする方もいます。
私は、その気持ちは汲みつつも、ご縁がなかったと早く気持ちを切り替えて、次の応募に向かうことを促します。
どんなに嘆いてみても、採否の判断は企業側にありますし、年齢や性別以外にも折り合えなかった理由があったのかもしれないからです。
一方、採用担当者の方についても、もう少し丁寧な対応ができないものかと感じる時が稀にあります。
多忙な事情やミスマッチを避けたいことはわかるのですが、自社の求人票や募集広告の内容に合った応募者には、なるべく先入観を持たずに、マナーや配慮を持って会ってみてほしいということです。
特に中高年の方の場合、少ないチャンスに、生活や人生をかけて応募している方が多いからです。
Uターン転職をしたある中年男性の話です。
県外のハローワークで求人を見つけて直接問い合わせたら、年齢で難色を示されました。
それでも、事情を話して、履歴書持参の面接と会社見学と仕事の説明を同日にしてもらうよう頼み込みました。
何度も行き来することが困難だったからです。
そして、訪問当日、採用担当の方々と意気投合し、職場も仕事内容も納得できたので、採否の即決を求めました。
転居先を早く決めたかったからです。
今、その方は新たな職場で即戦力として活躍されています。
採用担当者の方も、人の採用には、双方のコミュニケーションと歩み寄りが大事と再認識されたようです。
キャリアコンサルタント 久保賢司