お仕事コラム 第33回 【仕事のプライド】

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お仕事コラム 第33回 【仕事のプライド】

2020年2月掲載

2020年2月掲載

最近印象に残ったテレビCMで、漁港で働く中年男性役の俳優が穏やかに話すセリフです。

「俺はこの町でいつもどおり働くことにプライドを持ってて。」

オリンピックに向けて気運の盛り上がる東京をよそに見ながら、いつもどおり働く地方の人々を描写した缶コーヒーのCMです。

この中年男性のいつもどおりの仕事とプライドを私なりに想像してみました。

―漁師なら、朝早く仕事場へ行き大きな声で挨拶し、いつもどおりに漁に出る。

港に戻ると水揚げ作業。体力が要りそうです。それから翌日の漁の準備。

天候などの影響で、不漁の時は仲間と力を合わせて乗り越え、豊漁なら大漁旗をはためかせ喜びを分かち合う。

気性の荒い人もいるだろうから、仲間と衝突することも。

時には仕入れ業者にほめられたり、お客さんから感謝されたりすることも。

漁業の世界では、IT化が進んでいても、魚群を見つける決め手は人間の経験と潮目を読む力かも。

仕事が終われば仲間をねぎらい、時には酒を飲み交わし、家族のもとへ帰る。疲れを癒し、そしてまた朝が来る。―

私のイメージでは、そのような仕事と日常を何年も、どんな日もただ当たり前に紡ぎながら、目利きや腕に磨きをかける地道な努力を続けてこそ、いつしか仕事にプライドを持てるようになったのだろうと思います。

仕事にプライドを持つことも持たないことも、どんなプライドを持つかも、自分次第です。

ただ、仕事のプライドは仕事をやり続けてみて持てるもの、持ち続けることで育まれ仕事を味わい深くするものと言えそうです。

この春、新しい仕事に飛び込む人は、どんな働き方になるか想像してみましょう。

想像と現実が違っても、当たり前のことを当たり前に続けているか、時々振り返ってみましょう。

何か小さな手応えやがんばっている自分に気づいたら、足元に仕事のプライドの種が見つかるかもしれません。

キャリアコンサルタント 久保賢司

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