2019年1月掲載
キャリアコンサルタントの福積千佳子です。
今回は、前回(第19回)と同様に、「職場への定着」についてお話ししようと思います。
私自身、何度も転職をしたのですが、今考えてみると、「もう少し続けても良かったかな」「もう少し続けられたのではなかったかな」と思う職場もあります。
会社を辞めたり、転職したりする理由にはいくつかありました。
家庭の事情でやむを得なかった。仕事自体が合わなかった。他にやりたいことができた。
それから、人間関係も含めた職場環境に対する不満でした。
最近、私の知人で転職を何度も繰り返してきた方が、新しい職場の様子を話しに来てくれました。
「今度の会社はいいですよ」と明るい声で話されました。
「今度こそは続けられそうですよ」と、表情も穏やかでした。
何がいいのか、なぜ続けられそうなのか尋ねると、私の想像しない答えが返ってきました。
「職場に行って普通に挨拶すると、とても大きな声で必ず全員が挨拶を返してくれるんですよ。
自分も受け入れてくれた感じがして気持ちいいですね。」
皆さん、一見あたり前のことだと思いませんか?
特別なことではないように思える、大きな声で全員が挨拶すること。
お互いに声を掛け合うこと。
これだけでその方は仕事を続けて行けると感じたそうです。
就職活動は、応募者にとっても企業にとっても手間暇かかるものです。
だからこそ、求職者は一度入った職場で長く働き続けたいものですし、採用側としても長く働き続けて欲しいと考えるのでしょう。
もちろん、働くことは生活のためであり、働いてもらうことは事業の継続のためでもあります。
長く働ける、長く働いてもらえる、そのような働きやすい職場づくり。
そこで働く人も雇う側も、まずは気持ちの良い挨拶を続けること、お互いを気遣うこと、当たり前のマナーやルールを心がけることから見直してみましょう。
特別なことではないと思います。
キャリアコンサルタント 福積千佳子