アメリカのIT大手、アマゾンは、AIの導入によって働き方が変わり、今後数年間で従業員の数を削減するとの見通しを示しました。

IT大手の間ではAIを背景とした人員削減の動きが広がっています。

アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは17日、従業員向けの書簡を公表し、業務に生成AIとAIエージェントの導入を進める過程で、仕事の進め方が変わるとの考えを示しました。

そのうえで「最終的にどうなるか正確には分からないが、広範囲にわたってAIを活用することで効率性が上がり、今後数年間で従業員数を削減するだろう」との見通しを示しました。

また、書簡の中では「この変化を受け入れ、AIに精通してAI機能の改善に尽力する人は、より大きな影響力を発揮できるよう、よいポジションにつくことになるだろう」とも記しています。

IT大手のトップみずから、AIの活用が人員削減につながるとの考えを示すのは異例です。

一方、マイクロソフトはAI開発への巨額投資によるコスト削減を背景に、営業部門を中心に数千人の従業員を解雇する計画だと、18日、ブルームバーグなどが報じました。

会社は、先月も従業員全体の3％近くにあたるおよそ6000人を削減する方針を明らかにしています。

IT大手の間ではAIを背景とした人員を削減する動きが広がっています。

配信元：NHK NEWS WEB

配信日：2025年6月19日

今回のこの報道に関して

アメリカのアマゾンが、AI導入に伴い今後数年間で従業員数を削減する見通しを示しました。

IT大手によるAIを背景とした人員削減の動きは、マイクロソフトなどにも広がりつつあり、世界規模での雇用環境の大変革が進んでいると言えます。

AIの進化による効率化は確かに企業にとって大きなメリットですが、その一方で、働く場所を失う人が世界中で増えていく現実が目前に迫っています。

アマゾンのCEOが述べたように、「AIに精通し、その改善に尽力する人は良いポジションにつく」というのは事実でしょう。

しかし、それができる人は一部に限られ、多くの人は新たなスキルや職を求めて厳しい道を歩まざるを得ません。

もし今後、このような動きがさらに広がれば、私たち働く側の生活はどうなっていくのでしょうか。

従来の仕事が減り、AIやデジタルに強い一部の人だけが安定した職を持つ「二極化社会」になる懸念があります。

また、社会全体で「人間が担うべき役割とは何か」を問い直す必要に迫られるでしょう。

この変化の波に立ち向かうためには、個人としてもスキルの再習得や学び直しが不可欠です。

同時に、国や企業には、AI社会に適応できる労働環境やセーフティネットの整備がこれまで以上に強く求められます。

効率化だけではなく、働く人が安心できる未来社会をどう築くか——いま私たちはその分岐点に立たされているのです。