県内を中心に機械や食品のメーカーなど110社あまりが参加
来年春に卒業する大学生などを対象にした企業の採用面接が今月から解禁されました。
愛媛大学では、5日、企業の担当者から仕事の内容などを聞く催しが開かれました。
愛媛大学が開いた催しには、県内を中心に機械や食品のメーカーなど110社あまりが参加しました。
訪れた学生たちは、各社のブースをまわって会社や仕事の内容などについて説明を受けながら、熱心にメモを取っていました。
大学生などの就職活動をめぐっては、人材不足を背景にことしも学生優位の「売り手市場」が続いていて、採用活動の早期化が進み、すでに企業から内定を取得している学生も少なくありません。
一方で、年々、県外企業への就職が増えていて、愛媛労働局によりますと、ことし春に卒業した大学生の県外企業の割合は過去最も高い57.5%となるなど、県内企業にとって学生の流出を防ぎ、いかに人材を確保するか課題となっています。
催しに参加した香川県出身の大学3年生は「愛媛県に住んでみてとてもいい所だと感じ、愛媛での就職も考えている。正直、焦りはあるので友達や先輩の話も積極的に聞くようにしたい」と話していました。
愛媛大学就職支援課の石川尚課長は、「就職セミナーなども時期を早めて開催しているが、満席になるなど早くから情報を得ようとする学生が増えている。
丁寧に相談に応じていきたい」と話していました。
配信日:2025年6月5日
今回のこの報道に関して
売り手市場が続く中、愛媛大学で開催された企業説明イベントには110社以上が参加し、学生たちの真剣な姿勢が印象的でした。
しかし、その一方で県外就職率が過去最高の57.5%に達したという事実は、県内企業にとって深刻な課題を突きつけています。
優秀な学生を「採る」だけでなく、「引き留める」「地元に惹きつける」工夫が今後ますます求められるでしょう。
学生が地元に残りたいと思えるような働きがい、生活環境、成長の場が整っているか、企業や地域社会が問い直す時期に来ていると感じます。
また、学生の声にある「焦り」も見逃せません。
内定の早期化や情報戦に疲弊する学生が増える中で、大学や行政が寄り添い、必要な情報と安心感をどう届けるかも問われています。
採用の主導権が学生側にある今だからこそ、企業も「選ばれる存在」としての価値向上を意識すべきだと思います。