2018年7月掲載
キャリアコンサルタントの福積千佳子です。
最近ふと思ったことがあります。
求人誌を見る人は、退職や離職をして求職中の人が多いと考えていますが、在職中の人もいるだろうということです。
働きながら、他の仕事への転職を考えている人です。私自身もかつてそうでした。
仕事で小さなミスが続き、周囲の人との関係もあまりうまく行っていなかった頃のことです。
夜、誰にも見られないように気を使いながら、頻繁に近くのマガジンラックに求人誌を取りに行ったものでした。
求人誌をめくると、他の会社や新しい仕事には、たくさんの夢ややりがいがあるように思えてきて、本気で転職を考えました。
そうなると、仕事にますます身が入らなくなり、ミスが増えるという悪循環になりました。
ところが、ある日求人誌から応募先をピックアップして、「この次にミスや嫌なことがあったらいよいよそこに転職して心機一転がんばるぞ」と決心したら、不思議なことに気持ちがスーッと楽になったのです。
今思うと、「ミスをしてはいけない」とか「周りとはうまくやらなくてはいけない」という思い込みがあったのですが、そんな肩に力が入った考えが、転職をイメージすることで楽になったのです。採用される保証などなかったのですが。
結局、私はその仕事を辞めずに、しばらく働き続けました。
ミスも減り、周りとも以前よりうまくやれるようになりました。
その時辞めなくて良かったと、今でも思います。
今働きながら転職先を探すために求人誌を見ている方。
転職を決意しているのなら、次の仕事を決めてから辞める方がよいでしょう。
迷っている方。
嫌な事やつらい事に肩肘張って立ち向かおうとせず、「自分の働く場所や行き場は他にもある」とイメージしてみると気持ちが楽になるかもしれません。
転職を考えるのは、〝今の仕事“を心機一転して続けてみてからでも遅くありません。
楽な気持ちでいる方が、良い知恵も巡ることでしょう。
キャリアコンサルタント 福積千佳子