“106万円の壁” 厚生年金加入の企業規模要件は段階的に撤廃へ
段階的に進める方向で調整
年金制度改革をめぐって、厚生労働省は、パートなどで働く人が厚生年金に加入できる企業規模の要件について、2年後の10月に現在の従業員51人以上から21人以上に緩和し、4年後の10月に撤廃する方向で調整に入りました。
年金制度改革で、厚生労働省は、パートなどで働く短時間労働者が厚生年金に加入する「年収106万円の壁」と呼ばれる賃金要件や、従業員51人以上としている企業規模の要件を撤廃するなどとしています。
その後の検討の結果、厚生労働省は、企業の事務負担などを考慮して十分な準備期間が必要だとして、段階的に進める方向で調整に入りました。
具体的には、▽賃金要件はおおむね3年以内に撤廃するとし、▽企業規模の要件は、2年後の2027年10月から従業員21人以上に緩和したうえで、4年後の2029年10月に撤廃するなどとしています。
また、保険料負担が生じることによる働き控えを防ぐため、労使折半となっている保険料を企業側がより多く負担できる仕組みを設け、一部を企業に還付するなどの支援策も講じる方向で調整しています。
このほか、将来の年金財源を確保する観点から、収入の多い厚生年金の加入者により多くの保険料を負担してもらおうと、保険料の算定のもととなる月の給与水準の上限を現在の65万円から75万円に引き上げる方針です。
これにより給与水準が最も高い場合、ひと月あたりの負担がおよそ9000円増えることになります。
厚生労働省は、引き続き、与党などと調整して、今月から始まる通常国会に必要な法案を提出したい考えです。
配信元:NHK NEWS WEB
配信日:2025年1月18日
今回のこの報道に関して
厚生労働省が発表した「年収106万円の壁」に関連する厚生年金の加入要件見直し案は、短時間労働者の年金加入機会を拡大し、将来の年金財源を強化する重要な取り組みです。
今回の案では、企業規模要件を段階的に撤廃するほか、賃金要件についても撤廃する方針が示されました。
具体的には、2027年10月に企業規模要件を従業員21人以上に緩和し、2029年10月に完全撤廃する計画が提案されています。
また、賃金要件については、おおむね3年以内の撤廃を目指して調整が進められています。
この改革は、多くのパート労働者が厚生年金に加入できる道を広げると同時に、企業にとっての事務負担を軽減しつつ実現する形となる見込みです。
さらに、保険料負担による「働き控え」を防ぐため、企業側が負担する保険料の一部を還付する支援策や、給与水準が高い加入者に対する保険料負担の引き上げも検討されています。
特に、給与水準上限の引き上げにより、最も高い収入層では月9000円の負担増が見込まれますが、これにより年金財源の安定化を図る狙いがあります。
今回の改革案は、短時間労働者への保障を強化するとともに、将来の年金制度の持続可能性を確保する一歩となります。
厚生労働省が今月から始まる通常国会に法案を提出する予定であることから、これらの議論がどのように展開するか、今後の動向に注目が集まります。
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