2018年2月掲載
「未経験の方も大歓迎です」
「未経験の方も研修があるので安心して働けます」
「未経験者も活躍しています」
こんなキャッチコピーを見て、その求人に関心のある求職者の皆さんはどう思うのでしょうか?
「未経験でも応募できるならハードルが下がった」と感じる人、「研修制度があるなら大丈夫だろう」と素直に安心する人もいるでしょう。
一方で、「未経験者が活躍できるほど甘くはないんじゃないか」と考える人や、「研修でどこまでしっかり教えてくれるのだろう」と不安に思う人もいるでしょう。
過去の苦い経験から、「歓迎」という言葉を素直に受け取れない人もいるかもしれません。
経験のない仕事に応募しようかと迷っている方。
関心のある求人なら、自分にできる仕事か否か確認すればいいのです。
仕事の内容や研修制度のことなど、先入観を脇において、応募先の話を聴いてみたらいいのです。
職場見学や応募面接の際などに、気になることは質問しましょう。
そもそも、誰もが「歓迎」される訳ではありません。
「歓迎」された方も、教えてもらうことを待つのではなく、自ら早く仕事を覚えてこなしてゆく努力や覚悟が必要です。
一方、企業側も未経験者を採用したからには、当分の間はしっかり仕事を教えないと人は定着しません。
時間や人手が足りないからと最低限の研修をして、後は現場で仕事をさせるという態勢では、必ずしも人は育ちません。
結果的に、せっかく採用した人材が早期に離職してしまい、また同様の求人や採用を繰り返す手間とコストがかかるのでしょう。
未経験者に仕事を教えたり育てたりする時間や手間は負担かもしれませんが、「歓迎」した人材が長く働き育つことで、お互いに得るメリットの方が大きいのではないでしょうか。
求職者も採用する方も、対等な立場でお互いを知る一層の努力や工夫が大切と思います。
キャリアコンサルタント 久保賢司