2024年4月掲載
この春は、スーツ姿の飲み会の光景を見かける機会が増えました。
歓送迎会でしょうか。
男性も女性も、上司も部下も、年配の方も若手も交じって、傍目には和やかな雰囲気です。
「飲みニケーション」とは、職場の同僚や上司らとお酒を飲みながらコミュニケーションを楽しみ親睦を深める習慣のことです。
昔からあるのですが、最近の調査ではおよそ6割以上の社会人が、飲みニケーションは不要と考えているようです。
その主な理由は、「お互いに気を遣うから」です。
部下や若手からすると、面倒くさいのでしょうか。
一方、上司からすると若手と何を話したらいいかわからない。
部下から嫌われたくないという気持ちもあるのでしょうか。
上司部下の間に限ったことではありませんが、コミュニケーションは話し手がいれば聴く方もいて成り立つものです。
そう考えると、上司が部下の話の聴き手になることを意識して飲みニケーションしてはどうでしょうか。
部下から、話を聞かされるのではなく話を聞いてもらえると思われるようにするのです。
学生時代の話、趣味や遊びのこと、どんな思いで仕事をしているかなど。
自分の話は後回しにして、まず話を聞くことを心がけてみましょう。
部下が話さない時に初めて自分の話をするのです。
自慢話や説教ではなく、失敗談や苦労話なども。
そういう話の方が聞きたいという部下も少なくないでしょう。
お酒の強要やハラスメントは論外ですが、部下の成長を促すことは上司の役目と考えて。
部下の方も、社会人の作法やマナーを知っておいて損はありません。
お酒が飲めない人も、時には飲み会に参加していいかとあらかじめ聞いてみてはどうでしょう。
職場では教えてもらえないことがわかるかもしれません。
コミュニケーションは相手のあることですから、お互いに良いこともあれば気を使うこともあります。
便利なコミュニケーションツールが普及する一方で、そんなリアルな機会が回復していると感じます。
キャリアコンサルタント 久保賢司