2023年8月掲載
ある転職エージェントの「新入社員意識調査2023」によると、働きたい職場の特徴のトップは「お互いに助け合える職場」でした。
続いて、「お互いの個性を尊重する職場」が望まれる特徴でした。
お互いの個性を尊重しながら助け合って働ける職場。新入社員にとって理想的なイメージなのでしょう。
別の調査では、新入社員が早期に会社を辞める主な理由に、仕事を教えてくれないからとか、誰に聞いたらいいかわからないからというものがありました。
先の意識調査の裏返しで、新入社員は自分を尊重してもらえない、自分が困った時に助けてもらえないような職場では働きたくないということなのでしょう。
先日、ある中小企業の人事担当者からこんな話を聞きました。
「最近の若手はマナーを知らない。厳しく教えようとすると嫌がる。自分が若い頃と時代が違うから仕方ないのか。」
その人事担当者がいうマナーとは、例えば取引先や上司との酒席での席次やお酌のし方。
あるいは、会議での発言や上司に相談する時の物の言い方や作法など。
もちろん全員がそうではないし、悪気はないのだろうが、驚くようなことがよくあると、中年の担当者は本音を話してくれました。
お互いの個性を尊重しながら助け合える職場で働きたい。
そのような理想と職場の現実の違いにショックを受けることは、新入社員にはよくあることです。
そんな時、自分が尊重されたいなら、まず上司や先輩を尊重しているか振り返る。
相手を尊重するということは、まず挨拶やマナーをしっかりすることから。
助けてほしい時には助けてほしいと手を上げる。
普段から、雑用であっても周囲を手伝っておくと自分も助けてもらいやすい。
このような職場の心がけは、研修よりも勤務時間外のコミュニケーションの場の方が教えやすいかもしれません。
お酒の強要やお説教がなければ、新入社員も案外望んでいるかもしれないと思うのは、時代遅れでしょうか。
キャリアコンサルタント 久保賢司