2022年2月掲載
キャリアコンサルタントの福積千佳子です。
昨年秋に民間調査会社が発表した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、正社員の人手不足を感じている企業の割合が約51%もありました。
私は最近、中小企業の経営者や個人事業主の方とお話しする機会がありましたが、話題の中心は人手不足の事でした。
求人募集を出しても一人も応募がない。
良い人材が応募してこない。
採用しても長続きしない。
とても困っている様子でした。
もちろん、人手不足の状況は業界や職種によって違いますし、人手不足を感じながらも様々な努力や工夫をしている企業も多いことでしょう。
普段私は、懸命に就職活動をしている方の相談に乗っています。
その中で、こんな話も少なくありません。
応募書類を送ってから一月以上過ぎても何の連絡もない。
面接で退職理由ばかり聞かれて嫌な気持ちになった。
残業や休日出勤が多すぎて体調崩して仕事を辞めた。
仕事の内容や待遇を確認したら求人情報と違っていたので内定を辞退したい。
このような相談に応じていると、募集をしても一人の応募もないとか、良い人材が来ないという話は信じがたいものでした。
「雇ってやっている。」「辞めた社員の代わりは入れたらいい。」そんな感覚が残っている企業を応募者も敏感に感じ取っているのだろうと思います。
若い世代は、自分の時間や家族との時間が確保できることを強く望んでいる方が多いです。
中高年の方からは、まだまだ仕事をしたいのに面接に行ってから年齢の壁を突きつけられたという話も少なくありません。
簡単なことではないかもしれませんが、これまでの採用方法やあたり前と考えている業務の進め方も見直す時が来ていると痛感します。
即戦力となる人材の採用だけでなく、今いる社員の能力開発や再教育(リスキリング)によって社会の変化や事業の成長に対応する事も一層大事になるでしょう。
多くの人が手を貸し続けてくれる企業であるためには。
キャリアコンサルタント 福積千佳子