HaTaキャリ 夫の早期退職を機に、大都市から地方へ移住して再就職活動を始めた女性⑤

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HaTaキャリ 夫の早期退職を機に、大都市から地方へ移住して再就職活動を始めた女性⑤

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ10 第5回(2022年8月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ10 第5回(2022年8月配信)

☆シリーズ10 夫の早期退職を機に、大都市から地方へ移住して再就職活動を始めた女性。


小久保さん(仮名)50歳 移住前は民間企業の事務職として勤務 現在移住して就職活動中

家族:夫(57歳 団体職員) 長男(大学生 別居)


◇前回のあらすじ

夫の早期退職を機に大都市から地方都市松山に移住して、自らの仕事を探している小久保さん。キャリアコンサルタントとの面談の中で、求人票の見方や面接を受ける際の注意点など、気になっていたことを質問してアドバイスを受けました。また、仕事の内容だけでなく、希望する条件や働き方と、現在の自分に合った条件や働き方のすり合わせをすることが大事と気づき、応募する求人について引き続きキャリアコンサルタントに相談しながら考えて行くことにしました。

(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)


CC

「小久保さん、今日は前回の面談でお話したように、応募したい求人情報を持って来ましたか?」


小久保さん

「ええ、ハローワークの求人情報も一つ持っては来たのですが、実は派遣会社から一つ仕事を紹介していただきまして。金融機関の経理関係のデータの入力とチェックのお仕事なんですけど、一日6時間、月20日で土日祝日は完全に休みなんです。時給もまあまあ良い方みたいなのでどうしようかと思いまして…。派遣会社の担当者の方には返事をしないといけないのですが。」


CC

「お仕事の派遣期間はどのくらいの期間なのですか?」


小久保さん

「とりあえず最初は6か月間ですが、大体更新してもらえるみたいで、もし更新にならなければ、またその時に次の仕事を考えたらいいかなと思いまして。」


CC

「そうですね、派遣も一つの選択肢と思いますよ。派遣という働き方も考えてみるようになったのは、何か理由があるのですか?小久保さんは正社員を希望されていましたね。」


小久保さん

「そうですね、もちろん今も正社員希望ですが、以前にもお話ししたように、やはりハードルが高い気がしています。それに、派遣でも同じ仕事の正社員の方とのお給料や待遇の差は、昔よりはなくなってきているらしいですね。そう考えたら、派遣の方が気楽でいいかと思ったんです。」


《ご参考》

 派遣で働く皆様へ(2020年4月1日施行 改正労働者派遣法 厚生労働省HPより)


CC

「派遣で働く方が気楽と思われたのですね?」


小久保さん

「ええ、私地元の人間ではありませんから、やはり地元の中小企業で正社員で働くとなると職場の人間関係や仕事以外のお付き合いも大変そうな気がしまして…。もちろん派遣でも任された仕事はしっかりやるつもりですし、仕事とプライベートはきちんと分けたい方なんです。人づきあいが嫌なわけではないんですけど、仕事に行ってる間は余計な気を使いたくないんです。もし入ってから職場の人間関係がうまく行かないと、正社員は逃げようがないでしょう…。」

《ご参考》正社員になることを断った理由

《ご参考》正社員になることを断った理由

 (マイナビ「2021年 派遣社員の意識・就労実態調査」2021年8月より)


CC

「そうですね、確かに職場の人間関係は入ってみないとわからない面はありますね。ただ、地元企業でも働きやすい所はあるのではないでしょうか?新しい人が入ったり、部署異動などで人が替われば、職場の雰囲気が変わることもありますよ。小久保さんならそのようなご経験もあるのでは?それに、派遣で働くとして、小久保さんが重視されていた家計や将来のお金の面で見通しは立ちそうですか?」


小久保さん

「ええ、まあ、お金はあった方がいいんですけど、実は先日教えていただいた『奨学金』の案内が丁度息子の大学の方であったみたいなんです。息子ももらえそうですし、息子がアルバイトも始めて、自分の学費や小遣いくらいは何とかすると言い出したものですから。」

《ご参考》新型コロナの影響を受けた学生等の経済支援(文部科学省)

《ご参考》新型コロナの影響を受けた学生等の経済支援(文部科学省)

https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/benefit/index.html


CC

「そうなんですね、お母様として息子さんの学費や学生生活の面でも、家計のやりくりの面でも、安心されたのでしょうか?」


小久保さん

「そうですね、奨学金は息子が将来自分で働いて返すものですし、アルバイトの方も学習塾で中学生の高校受験のお手伝いみたいなことをしているようで、まあそれなら安心かなと思いまして。」


CC

「そうすると、小久保さんはまず派遣のお仕事の方からやってみようというお気持ちになっているのですね?お仕事の内容は経理関係のデータ入力とチェックとのことですが、働く時間やお給料の他に何か気になることはありますか?」


小久保さん

「そうですね、仕事の内容自体は、若い時に金融機関にも勤めていましたから、それほど難しくはないと思うのですが、パソコンスキルが求められるみたいなので、そのあたりがちょっと心配です。前の会社では作られた会社のシステムを使って仕事していましたので、タイピングとかエクセルとか、簿記なんかももう一度勉強しておいた方がいいのかなと思っています。派遣会社の方は、基本的なパソコン操作ができれば大丈夫と言ってくれましたけど。」


CC

「そうですね、転職や再就職で新しい仕事に就く際に、不安なことがあるのは当然ですね。今までの経験や身につけたスキルを活かすことも大事ですが、新しい事にもチャレンジする気持ちがあれば仕事の選択の幅も広がりますね。そのためにも、年齢に関係なく新しいスキルを身につけるための勉強をしたり、仕事に役立つ資格にチャレンジしたりする人もいますよ。働きながらですと職業訓練に通うのは難しいので、自宅で無料で受けられる『eラーニング』を利用する方もいますよ。」


《ご参考》

☞ 「ひめJOB eラーニング」受講者募集について(愛媛県HP)

「学び」に遅すぎはない!社会人の学び直し「リカレント教育」(内閣府 政府広報)


CC(つづき)

「ところで、小久保さんが持ってこられたハローワークの求人はどのような内容なのですか?」


小久保さん

「ええ、これは大手機械メーカーの総務事務という求人で、契約社員なんです。年齢不問になっていて、正社員登用制度もあって、求人情報に登用実績も書いてあるのですが、私の年齢からすると正社員登用は難しいのかなと…。」


CC

「正社員登用制度があることは魅力だけれど、本当に正社員になれるのか気になるのですね。小久保さん、そのような気になることやわからないことは、応募して面接の際に聞くという方法もありますよ。この求人ですと書類選考がありますから、派遣会社への返事まで猶予があれば、並行して応募してみてもよいかもしれませんよ?」


小久保さん

「でも私、一つずつ進めて行きたいですし、いつまでも就活していても仕方ないので、まず派遣のお仕事の方に応募してみようと思います。前の会社では総務系の事務も経験ありますけど、機械メーカーはやり方や内容が違うでしょうから。派遣で働きながら、将来他にどんな仕事や働き方があるのか考えてみたいと思います。主人も65歳まであと7年くらいは雇われて働くけれど、そのうちタイミングを見て辞めて自分で何かしたいようなことを言っていました。私もまだ当分働けるうちは働きたいと思っていますけど、せっかく移住して環境も変わったのだから、これからの自分に合った働き方でいいのかなと思うようになりました。年金だけでも何とか生活はして行けるのかもしれないですが、今は老後の事より働いて収入を得る見通しが立たないと老後までのライフプランも立てられないと思っています。」


CC

「そうですね、まず何でもやってみることが大事ですね。小久保さん、派遣のお仕事を紹介してもらえたら、ぜひ最初の更新までの期間は仕事をやり遂げてください。そうして派遣会社に信頼してもらえたら、その後も仕事を続けて行けるでしょうし、また他の仕事を探してもいいと思いますね。」


小久保さん

「ええ、それはもちろんです。移住してきたからと言って特別扱いされるわけではありませんから。移住してくるまでは自治体の方も歓迎してくれますが、移住してからの仕事探しは自分でするしかないですよね。本格的な就職活動は、主人もなんですけど、学生の時以来したことがなかったので、この歳になってやってみて大変なのがよくわかりました…。実は、今度の派遣予定の会社は、しっかり仕事ができるか見極めるための面接があるみたいなんです。それを聞いてちょっと緊張しているんです。もしよかったら、こちらで面接の練習もしていただけませんか?ジョブ・カードも書けるところまで書いてみましたので。」


シリーズ10 おわり


◎その後…

 派遣先の面接を受けた小久保さんは、即採用が決まり仕事を始めました。最初のうちは仕事のやり方に戸惑いもありましたが、決められた時間内に担当業務をこなして行くことにすぐに慣れて行きました。また、職場の人間関係は、スタッフ間の役割分担と適度な距離感が小久保さんに合っていて、ストレスを感じることもあまりありませんでした。小久保さんは、仕事が決まったことで生活リズムも整って、仕事以外の時間でやりたいことを考える余裕も生まれてきました。


次回☆シリーズ11(予告)※内容は変更する場合があります。

結婚を機に仕事を辞めて、その後家事と子育て中心の生活をして、子供が小学生になって手がかからなくなってきたことをきっかけに再就職を考え始めた女性。


以上

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