HaTaキャリ 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性④

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HaTaキャリ 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性④

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ8 第4回(2021年8月配信)

働きたいあなたへのヒント HaTaキャリ シリーズ8 第4回(2021年8月配信)

☆シリーズ8 仕事と子育てを両立させて働きながら、将来のキャリアについて考え始めた女性。


芝田英子さん(仮名)41歳 女性 家族:夫43歳(会社員)長男5歳 長女3歳 義母同居 

コールセンター(派遣)で働きながら、今後の生活設計や自らの仕事についても考え始めました。


◇前回のあらすじ

芝田さんは、キャリアコンサルタントとの面談の中で、今後の働き方やスキルアップについて考えていることを整理し始めます。また、自分の働き方やキャリアが家族のライフプランにかかわってくることにも気づきます。芝田さんは、夫と相談したうえで家族のライフイベント表を作り、教育費などの将来かかるお金の見通しをつけて、働き方の相談に来ることになりました。

(以下前回からの続き CC=キャリアコンサルタント)


CC

「芝田さん、先日の面談の時にご案内したライフイベント表は作ってみましたか?お子さんの教育費などに、これからどのくらいお金がかかりそうか、ご主人とお話しされましたか?」


芝田さん

「ええ、エクセルのシートに家族の年齢とイベントだけ入れてみました。それだけでも、大体いつ頃お金がかかりそうかという見通しはつきましたね。あとは、教育費に実際どのくらいお金がかかるかなんですけど。二人とも高校までは公立に行かせようと主人とも話したのですが…。」

《ご参考》将来のイベントと費用を考えるライフイベント表(芝田さんの例で作成)

《ご参考》将来のイベントと費用を考えるライフイベント表(芝田さんの例で作成)

日本FP協会「便利ツールで家計をチェック」


CC

「そうですね、教育費は住宅取得にかかるお金や老後資金と並んで人生の三大支出の一つですから、気になるところですね。今日は、教育費やライフプランの参考となるデータを持ってきましたよ。」

《ご参考》子供の学習費調査P1~P2(文部科学省 平成30年度)より日本FP協会作成

《ご参考》子供の学習費調査P1~P2(文部科学省 平成30年度)より日本FP協会作成

文部科学省 報道発表(平成30年度子供の学習費調査の結果について )


芝田さん

「うちは、これから15年くらい子供にお金がかかるということですよね…。今住んでいる家は、夫の実家ですから住宅ローンはないですけど、そのうちリフォームも必要になるでしょう。それに、車の買い替えとか、急な出費の備えとか、いろいろとお金がかかることがありそうですね。」


CC

「将来必要になるお金を準備するには、まず、お金が必要になりそうなライフイベントを考えて、次に家計の収支の現状を見ます。それからお金の流れ(キャッシュフロー)の見通しを立ててみるんです。簡単に言えば、入ってくるお金を増やすか出てゆくお金を減せば、その差額が貯蓄に回せるわけで、将来必要な時に使えるお金の準備にもなるわけですね。詳しくは家計管理やキャッシュフローを見るツールを使って、改めて時間を取って一緒に検討してみましょう。」


《ご参考》日本FP協会TOP便利ツールで家計をチェック※どなた様もご利用になれます。

 「貯蓄力がわかる 家計の収支確認表」「将来の収支が予想できる 家計のキャッシュフロー表」


CC(つづき)

「ところで、芝田さんは収入を増やすために、働き方を変えたいというお考えでしたね。今はご主人の扶養の範囲内で働いているということでしたけど、転職や働く時間を増やすなどして収入が増えた場合には、ご主人の扶養の範囲から外れてしまう可能性も考えておく必要がありますよ。」


芝田さん

「そうですよね。今の派遣の仕事は、月に8万円くらいになるように時間調整して夫の扶養に入っていますけど、103万円や130万円を超えると、税金や社会保険料がかかってくると派遣会社の方から聞きました。」


CC

「そうですね。芝田さんの場合は、今の年収がもう少し増えて103万円を超えると、超えた分に対して芝田さん自身が払う所得税がかかるでしょう。ただ、これはご主人と合わせた今の手取り収入が減るわけではないのですが、年収で130万円を超えるとご主人の扶養から外れて、厚生年金や勤務先の健康保険、または国民年金や国民健康保険に入ることになります。そうなると社会保険料の自己負担分の手取り収入が減る可能性があります。つまり、130万円をちょっと超えて社会保険料の負担分の手取りが減るくらいなら、社会保険料を払っても手取り収入が今より増やせるようにしっかり働くという方法もありますね。厚生年金や勤務先の健康保険に入るメリットもありますが、今の芝田さんにとってどのような働き方が現実的なのか、将来の計画と合わせて考えてみると良いと思います。どう思われますか?」

《ご参考》配偶者等の扶養の範囲に入る本人の年収について

《ご参考》配偶者等の扶養の範囲に入る本人の年収について

※1の企業規模(正社員等被保険者501人以上)基準は、2022年10月以降101人以上に改正されます。


芝田さん

「ちょっと難しいですけど、働き方とライフプランは大きく関係あるということですね。主人とも話したんですけど、下の子が小学校入るまでは、やはり時間調整がしやすい派遣の働き方がいいと思いますし、最初にご相談した転職は今は大変だからやめて、派遣の仕事を続けようと思うんです。ただ、今後の生活や子供の教育費を考えると収入は増やしたいので、もう少し割のいい仕事に変えてもらえないか派遣会社に相談してみようと思うんです。どうでしょうか?」


CC

「派遣会社にはいろいろな派遣先や仕事があるでしょうから、どんな仕事があるか、必要なスキルは何か、相談してみたら良いと思いますよ。そのうえで、社会保険の方の扶養の範囲内で働くのがいいか、もっと稼げるように働くのがいいか一緒に考えてみましょう。それから、芝田さんが以前におっしゃっていた、仕事のやりがいやキャリアについても見直してみましょう。」

《ご参考》「派遣のお仕事を選ぶ理由は?」(2021年「派遣で働く理由」調査 エン・ジャパンより)

《ご参考》「派遣のお仕事を選ぶ理由は?」(2021年「派遣で働く理由」調査 エン・ジャパンより)

2021年「派遣で働く理由」調査ー『エン派遣』ユーザーアンケートー


芝田さん

「ええ、何か仕事に手ごたえを感じたいと思ったら、自分に力をつけておくことも大事だと思いました。実は、以前に派遣会社の方から事務の仕事をやらないかと言われたことがあったんですけど、パソコンスキルが結構必要だということと、その時は転職も考えていたので、はっきり返事をしなかったことがあるんです。近いうちに面談があるので、その仕事がまだあるのか、パソコンスキルがどのくらい必要なのか、聞いてみようと思うんです。それからまた相談に来ていいでしょうか?」


シリーズ8 おわり


◎その後…

芝田さんは、派遣会社の担当者に別の仕事への変更を相談してみたところ、以前に話があった事務の仕事を勧められました。パソコンスキルについては概ね基本レベルの内容で、担当者からは芝田さんの仕事ぶりを評価していると言われました。芝田さんは、あと3年程度は夫の扶養の範囲内で働き、その後転職するキャリアプランを考え、スキルアップや資格取得も目指すことにしました。


次回☆シリーズ9(予告)※内容は変更する場合があります。

高校卒業後に就職した会社を2年で辞めて、現在アルバイト中の女性。アルバイトを続けてよいか、就職活動をした方がよいか迷い、親の勧めでキャリアコンサルタントの所に相談に来ます。

                                       

以上

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